東北大学、九州大学、野菜茶業研究所、掛川市では平成21年6月末より、掛川市民を対象として大規模な栄養疫学研究を実施しています。この研究は農林水産省の委託事業(新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業)として行われ、掛川市の全面的な協力により実施されます。 この研究の目的は、緑茶の健康増進効果を確立し、同時に緑茶のどのような品種が最も健康増進効果があるかを解明して新食品を開発することで、世界をマーケットにした茶業振興、世界の人々の健康向上に資することです。
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1.緑茶摂取と生活習慣病に関するコホート研究(東北大学)
地域住民を対象とした大規模疫学調査による緑茶摂取と動脈硬化関連因子およびその後の疾病罹患・死亡との関連を検討します。 - 2.緑茶介入試験(掛川市)
肥満・高コレステロール血症、糖尿病等動脈硬化の危険因子をもつ対象者に緑茶を一定期間飲用してもらい、その抗動脈硬化作用を明らかにして、メタボリック・シンドローム症候群対策に最適な品種選定を行います。 - 3.緑茶の形態による吸収への影響解析((独)農研機構野菜茶業研究所)
カテキン類等ポリフェノール類の吸収様式に及ぼす緑茶の形態の影響を解析します。 - 4.緑茶カテキンの感知機能と解毒機構(九州大学)
緑茶の中にあるカテキンを、効率よく体内に吸収するには、どのような生活習慣が良いかを研究します。併せて、カテキンが体内でどのようなメカニズムで解毒などの効果を示すのかを明らかにします。
達成目標の第一は、緑茶のもつ生活習慣病改善効果を証明し英文論文として公表することで、世界に向けて緑茶の科学的根拠(エビデンス)を多数提供することです。これによって日本の緑茶に多大な付加価値を与えることができると期待されます。
達成目標の第二は、緑茶の中でもより生活習慣病予防・改善効果のある品種や摂取形態を明らかにすることで、その品種の容器詰め飲料や関連商品を開発することです。これによって新たな茶の需要を創造することができると期待されます。